米Lemonadeのペット保険、P2P保険第2弾発売！

2020年7月に米国で新規上場したLemonadeは、同月にペット保険の販売を開始しました。
新商品となるペット保険において、以前紹介したLemonadeの下記の3つの特徴を捉えているかを今回の記事ではご考察します。

• インタラクティブな顧客体験の提供
•  割安な保険料
• 非営利団体への寄付

P2P型のペット保険

Lemonadeのペット保険は、2ヶ月から10歳までの犬と猫を対象に、自社の家財保険と同じP2Pの仕組みにより提供されています。
Lemonadeは、保険料の25％を自社の運営費用として受け取り、保険金を支払った後に保険料で作ったGivebackプールに剰余金がありましたら、ペット保険のお客様が選んだ動物関連の非営利団体へ寄付します。
保険料に関しては、主にペットの年齢、品種、そして飼い主の住所によって決まっています。

以下の項目の選択によりも、保険料が変わります。

• 補償割合：70%、80%、90%
• 年間免責金額（米ドル）：$100、$250、$500
• 支払い限度額（米ドル）：$5,000、$10,000、$20,000、$50,000、$100,000

日常会話のような顧客体験

Lemonadeでは、A.I.のパーソナルアシスタントとチャットすることでペット保険のお手続きが行われています。
例えば、お客様はLemonadeのペット保険を申し込みする時、A.I. Mayaから下記の質問をされます。

Q1: 「君のペットに会うのが楽しみです！ペットの名前は教えてください。」
A1: Bob

Q2: 「かわいい！Bobは、お元気ですか？」
A2: ワンワン！

ペットが自分で答えるかのように、お客様は犬や猫の鳴き声を選べます。

Q3: 「いいですね！住所を教えてください。」
A3:　ニューヨーク

Q4: 「Bobの特徴を教えてください。」
A4:　一歳、雑種、オス

お客様はペットの年齢や品種や性別を選べます。

Q5: 「雑種はお気に入りです！サイズはどのぐらいですか？」
A5:　中型（20~55ポンド）

Q6: 「ありがとうございます。続いてBobの病歴に関しては……」
A6:　持病がある

Q7-1:「申し訳ございませんが、どのような病気ですか？」
A7-1:　アレルギー、問題行動、外耳炎

Q7-2:「保険が将来の出来事を補償するものであるため、持病や既往症は補償対象外となります。」
A7-2:　了解

Q8: 「他に一緒に暮らすペットはいますか？」
A8:　いいえ。

他社より低価格

他の米国企業のペット保険を比べると、Lemonadeの保険料はかなり安いようです。
補償内容に関しては、Lemonadeは他社と同様、一般的な基本補償に加え、ペットのリハビリテーションのような治療、動物病院の診察料、そしてワクチン接種費用等を補償することも可能です。
一方、米国の大手ペット保険会社であるTrupanionでは、ペットの歯の病気のほか、義肢装具と移動補助具に関わる費用が補償されており、保険料が割高になっています。
それに加え、窓口精算も無制限の保険金支払限度額もTrupanionのペット保険の特徴です。
ただし、動物病院の診察料やワクチン接種費用等に対する補償の追加はできません。

※ペットの特徴の設定：一歳、雑種の中型犬、オス、ニューヨークに住んでいる
※2020年8月時点

終わりに

Lemonadeは既存契約者の約7割がペットを飼っていたと表明しました。
既存契約者へ複数商品の加入を促すため、Lemonadeは既存契約者が10％割引でペット保険に加入できるという販売促進施策を実施しています。
Lemonadeの今後の成長には、平均顧客単価の増加が重要な要素の1つであると考えられています。
Lemonadeのペット保険販売が平均顧客単価の増加にどれだけ寄与していくかは、Lemonadeの今後の決算発表で明らかになるかもしれません。