ボトルネックを探すということ。インターンで得た、仕事に向き合うマインドセット

justInCaseで半年間のインターンを終え、今月卒業したトモキが、インターンを通して自分自身のなかで変化したと感じることとは。彼自身の言葉でお届けします。

半年間で私がした仕事

以下の仕事を任せていただいた。
なお、ノンルーチンな仕事に関しては時系列順に並べている。

・スマホアプリのファネル分析(離脱率分析)
-アプリのDLから契約までの各工程でどれだけ人が離脱したかを可視化

・創業3周年パーティーのオーガナイズ
-会場選定
-参加者への案内送付と質問対応
-協賛金管理とお礼品の発注及び発送
-当日スケジュールの企画と調整
-コスト見直しプランの策定(当初予算より45%削減を達成)

・バックオフィスのワークフロー見直し
-各ルーチンタスクの効率化とマニュアル作成
-新入社員のオンボーディングフローの作成

・その時々で頼まれたこと
-各種リサーチ
-Coral Capital 「Startup Aquarium」のPM
-記者会見のリサーチとパネルやノベルティ作成
-デイリールーチン業務

病院受付とワインバーのアルバイトしかしたことのなかった私からしてみれば、こんなに任せてもらって大丈夫なのだろうかという気持ちが強かった。
特に3周年記念パーティーは、結果として120名以上に参加頂いた大イベントであり、株主様や提携企業様といった外部と大きく関わるイベントでもあった。
これをインターンに任せる企業はなかなかないのではないだろうか。(1カ月前にいきなり任せられた方は必死だったが)。

さて、justInCaseのインターンではどんな業務が任せられるかが分かったところで、仕事に向かう際の基本姿勢についてお伝えしたい。

ボトルネックを探す

仕事をするときにはボトルネックを意識するようにしている。

ボトルネック工程とは生産工程のうち、最も生産能力が低い工程のことである。
ボトルネックを特定することが大事な理由は、ボトルネック工程、その前工程、後工程ではマネジメント方法が異なるからだ。

ボトルネック工程は最大限活用しなくてはならない。
この工程の生産量を上げたり、歩留まりを100%に近づける努力が全体の成果に直結し、全体の生産量を規定するからだ。
そのために前後の工程は調整される必要がある。

言い方を変えれば、ボトルネック前後の工程で異なる目標を追うべきである。

ボトルネック工程前の工程では、”ボトルネック工程に不良品を持ち込まないこと”が目標となる。
ボトルネックを不良品のために稼働させることはボトルネック工程の稼働率を下げるからだ。
だから多少工程生産力を落としてでも(ボトルネックではないため全体の生産力は落ちない)、ボトルネックの直前に検品工程を設けることが全体の生産量を上げることにつながる。

ボトルネック工程後の工程では、”歩留まりを良くすること”が目標になる。
貴重なボトルネック工程を経てきた仕掛品を壊してしまえば、ボトルネックの稼働力を奪うことになるからだ。
それゆえ後工程では速度よりも丁寧さが大切になる。
以上のように工程ごとに異なるKPIを設定し、達成することが全体の生産量を上げることにつながる。

これは、実はより広範に使えるフレームワークである。

根本的な理屈は、最も限られた資源は何で、それをいかに効率的に使うかが全体の成果を左右するというものだからだ。
何が希少資源であるかは、ものの捉え方やその時々によって異なるが、例えば、会社は意思決定を生産している。
実際に私がリサーチを頼まれた時は、最終決定を下す役員たちの時間が希少資源であると考えた。
すると、その手前で候補を絞る会議は、ボトルネックに不良品を入れないための検品過程となる。
貴重資源である役員の時間を、そもそも見込みのない候補の選定に使うことは組織の稼働力を奪うことになる。
そのため、私が任されたリサーチでは、後から漏れが見つかってもう一度会議を開くことがないように、できる限り網羅的に対象を調べた。

同様に、3周年パーティーの机や椅子配置でもボトルネックを探すことを意識した。
会場の内見のできる時間がボトルネックであると考えたため、配置候補をいくつかに絞ったうえで内見を行い、配置決定後はその配置を壊さない飾り付けになるよう工夫した。

このように、ボトルネックがどこか、また自分はどの工程にいるのかを意識することで全体に貢献できたのではないかと思う。

絶対にやる

上で賢そうなことを言ってみたものの、結局はやるかやらないかである。
実際に物事を進めるためには何かを実行しなくてはいけないし、実績が出ないと説得力がない。

前節で書いたようなことを無意味と言っているのではない。
むしろ効率的に仕事をする上では極めて重要だと思っている。実際に効率が良くなるだけでなく、これでもかと考え抜いたという事実が実行に際して自信をくれるからだ。

ただ、いくら考えたところで絵に描いた餅はしょせん絵である。

やると決めたらやらなくてはならない。
しかしやるにしても、それを続ける、つまりやり切ることは難しい。
どうしてもモチベーションが続かない。
人間は意味を見出せないことに対して努力し続けるようにはおそらくできていない。

だから、少し視野を広くして、この仕事をすることで組織にとってどんな嬉しいことがあるのかを考えるようにしている。
自分のやっていることは、こういう形でこの組織に将来的に貢献していくのだという認識が、実行力をくれる。
そんな風にしてこの半年やってきた。

最後に

以上、私がどんなことを考えながら何をしてきたかを書いた。

インターンとして仕事をして、働くという行為が極めて自由な行為だと気付かされた。
justInCaseではフルリモート、フレックスを認めているが、ここでいう自由は、働く場所や時間の話ではない。

皆が自分のやりたいことを実現するために働いているということである。

大学生はともすれば、社会人になるということは、大学生という「自由な」期間から卒業することだと捉えがちである。
社会で生きるためにやりたくもない仕事を押し付けられ、行きたくもない飲み会に行かなくてはならない。
このような印象を抱き、また自分もそうなっていくと想定してしまう。

しかし、justInCaseではそうではなかった。

もちろん、強制された仕事をしなくてはならないという側面はある。
だが、自分が思っていたよりも相当大きな自由度も確かにあるのだ。
意思を持った人間の相互作用で社会が成り立っている以上、唯一の答えは存在せず、ある程度の自由度がある。
逆にいえば、この自由を利用することで、自分が思い描いた状態に社会を持っていくこともできるということだ。
justInCaseには、このような非決定論的な世界観を持っている人たちが集まっているのではないかと感じた。

そのような人たちと一緒に働くことは非常に楽しく、心地よかった。
この記事を読んでいるあなたも同じ経験をしてくれれば、筆者としては望外の喜びである。


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